お知らせ
2022.08.02
最低賃金について
2022年度最低賃金(最賃)の引き上げ額を巡り、中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会が1日午後、東京都内で開かれ、全国平均で時給961円とする目安をまとめた。現在の平均額から31円の引き上げで、02年度に現在の方式になってから最大の増加幅となった。物価高騰を背景に、引き上げ幅は3.3%。
7月の前回協議ではまとまらず、8月に持ち越す異例の形。これ以上遅れると都道府県ごとの賃金改定スケジュールに影響が及ぶため、早期決着が迫られていた。
引き上げ額の目安は地域の経済情勢に応じてAからDの4ランクに分けて提示。Aの東京など6都府県は31円、Bの京都など11府県は31円、Cの福岡など14道県は30円、Dの鳥取など16県は30円となった。
最賃は全ての労働者に適用される賃金の下限額。最低賃金法に基づいて時給で示され、下回った企業には罰金が科される。現在は全国平均930円で、近年は20年度を除き前年度比で3%程度の上昇が続く。21年度の引き上げ額は過去最大の28円。22年度はロシアのウクライナ侵攻などに伴う急激な物価高を踏まえ、これをさらに上回る上げ幅で労働者側と経営者側の代表、有識者の間で調整が続いていた。
新しい金額は10月ごろに適用される。(正司 光男)