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お知らせ 2020.07.21

建設業の人手不足対策

 建設業の業務に興味を持つ若者が少なくなった理由は、建設業に対して「3K」の印象が強いからでしょう。3Kとは「きつい・汚い・危険」のことです。
 建設業では週休二日制が定着していなかったり、肉体労働であったりと「きつい」ことは想像に難くありません。現場での作業のため、雨が降ってきた場合は、「汚く」なることもあります。高い場所での作業のため、命綱をつけているとはいえ「危険」です。また、若者離れの要因として、建設業界の古い価値観と若者の価値観が合わなくなっているケースもあります。現在の若者は仕事に楽しさややりがいを求め、人間関係を重視する傾向にあります。建設現場の叱られながら学ぶという古い価値観が肌に合わないのかもしれません。
 建設業界に入ってくる若者が減少していることに加え、離職率が高い要因は、建設業における賃金の低さと長時間労働でしょう。
 2014年の建設業の男性生産労働者の平均年収は408万円なのに対し、全産業の一般労働者の平均年収は479万円と、建設業は他の産業に対して年収が低くなっています。給与が低くなる理由としては2つ考えられます。
 1つ目は日給制であることです。月給制は月当たりの給料が一定額決まっていますが、日給制は遅刻・早退・欠勤によって給与が変わってくるため、収入が不安定である傾向があります。また、貰った日給を時給に換算し直すと、最低賃金よりも低いこともあります。
 2つ目は建設業に公的な資格がないことです。スイスやドイツにはマイスター制といって、公的な資格が存在します。そのため給与が高く、休暇もしっかりとれる仕組みがあります。
 一方、日本では建設キャリアアップシステムという制度はありません。職人の技能を証明し、正しく評価する仕組みはありますが、あくまでも給与設定をするときの目安であり、具体的な給与額は各社の裁量によります。       (正司 光男)